在宅医療について

 在宅医療における薬剤師の役割は、薬を届ける事ではありません。
生活の質(QOL(「クオリティ・オブ・ライフ」のこと)の向上を目指し、住み慣れた地域で自分らしく過ごせるように、薬を正しく、安心して服用いただくための手助けをしたいと考えています。
 薬に対する不安や疑問がありましたら、薬剤師にご相談ください。

こんなこと、お困りではありませんか?

薬の管理が出来ない・飲み忘れてしまう
  • 薬剤師が訪問した際に、お薬が大量に残っていないかを確認し、きちんと飲めているか確認します。大量に残っている薬がある場合には、きちんと服用できない原因を考え、医師や他職種の方と相談します。
  • 薬を正しくきちんと服用していただける様、お薬カレンダーなどの服薬支援ツールの活用をご提案します。
  • 一緒に飲む薬を、一袋にまとめる(一包化する)ことで、飲み忘れを防ぎます。
 
薬が飲みづらい
  • 錠剤が大きい、カプセルや粉薬が喉にくっついて飲みづらいなどでお困りでしたら、他の薬や口の中で早く溶ける薬(OD錠)に替えることができないか、薬剤師が医師に確認します。
  • 他に変更できるものがない場合は、服薬ゼリーなどを使って飲みやすくなるように提案します。
 
何に効く薬か忘れてしまった
  • 処方されている薬の効果や副作用について、丁寧にご説明します。
  • 薬剤師が自宅を訪問した際に、体調(食事・排泄・睡眠・運動・認知機能等)を確認することで、薬がきちんと効いているか、副作用は出ていないかを把握します。
    副作用が疑われる際には、速やかに医師に報告して薬の変更などを提案します。
市販薬を飲んでも大丈夫?
  • お薬手帳を活用することで、病院から処方された薬や市販薬との飲み合せに問題は無いか調べることができます。
    また、健康食品などとの飲み合せについても調べることができます。
 
医療用麻薬の適正使用のための管理と評価
  • 医療用麻薬の使用にあたり、投与量や投与方法等を含めた疼痛管理や、副作用発現時の対応等について説明します。
  • 不要になった医療用麻薬は、薬局で責任を持って廃棄しますので、処方された薬局にご連絡ください。
医療用廃棄物の処理
  • いつのものか分からない大量に残ったお薬や、注射針等の感染性廃棄物の処理についても薬局にご相談ください。
介護用品などの相談
  • おむつや介護食などから、車いす、電動ベッド等まで何でもご相談ください。
    ※品物によっては、他の専門業者を紹介する場合があります。
医療材料・衛生材料の提供
  • ガーゼや消毒等の衛生材料、チューブやポンプ、カテーテル等の医療材料等を提供することができます。
    ※対応していない薬局もありますので、各薬局にお問い合わせください。
 
中心静脈栄養輸液の調製・対応
  • 医師からの指示により、高カロリー輸液を提供します。
  • クリーンベンチを使用することにより、輸液や注射剤を無菌で調整することができます。
  • 輸液用ポンプを貸出することができる薬局もあります。
他の職種との連携
  • 在宅医療に関係する医療・介護関係の様々な職種と連携し、薬を正しく飲むためのサポートをします。
  • 医師やケアマネジャーには、薬剤師が行った訪問指導の状況等について報告します。
お薬手帳に日常生活において気になることなどを記入しておくことで、医師や訪問看護師、ヘルパー等が訪問した際に体調の変化に気が付くことができます。
また、訪問する方々の連絡ノートとして活用することによって、患者さんの情報を共有することができます。
 

薬剤師による在宅医療

薬剤師による在宅医療を始めるには?

 薬剤師による在宅医療を始めるには、大きく分けて以下の4つのパターンがあります。

薬剤師による在宅医療の費用はどのくらい?

 介護保険の認定を受けているか、いないかで費用が変わります。

  介護認定を受けている
【介護保険請求】
介護認定を受けていない
【医療保険請求】
同じ建物に住んでいない 1回あたり517円 1回あたり650円
同じ建物に住んでいる
診療患者が2~9人
1回あたり378円 1回あたり320円
同じ建物に住んでいる
診療患者が10人以上
 1回あたり341円  1回あたり290円

※処方せんに基づく調剤の金額に追加となる金額です。
※1回あたりの金額は、1割負担の場合の金額です。
※麻薬の管理が必要な方などは料金が異なります。詳細は薬剤師にお問い合わせください。

自分はどちらの金額になるの?

 介護保険被保険者証に「要支援1・2」または「要介護1~5」の記載があれば介護保険の金額になります。空欄であれば医療保険の金額になります。