抗生物質は病原微生物を殺すための薬だから、人間の細胞にはなるべく害を与えず、病原微生物のみに作用するという「選択毒性」を持っていなくてはいけません。そのためには、抗生物質は人間と病原微生物の細胞の構造や分裂の違いを利用して、効果を出しています。病原菌である細菌は細胞壁を持っているが、人間は細胞膜が細胞の表面で細胞壁を持っていません。多くの抗生物質は細胞壁を壊すことで病原微生物を殺して効果を出すわけです。抗生物質で1日3回飲む薬が多いのは細胞壁と薬が接触している時間が長いほうが効きやすいからです。
 それから、インフルエンザの治療薬は、ウィルスが増殖して、細胞を壊し外に飛び出して全身に広がるのを抑えるための薬です。抗生物質は、病原菌をきちんと退治するまで飲みきることが大事ですので、途中でやめたりせずきちんと飲んでください。

PDF版
〔2014/7/8 薬事啓発・広報委員会 委員 室井 淳 記〕